WordPressあれこれ

WP-CLIでプラグイン・テーマの状態を安全に確認する方法

WP-CLIでプラグイン・テーマの状態を安全に確認する方法

検証環境: WordPress 7.0 / WP-CLI 2.x 系(確認日: 2026-06)。出力例の値は環境ごとに異なります。

更新したら急に真っ白になった、Fatal Errorが出た——。原因がプラグインなのかテーマなのか、まずは現状を「見る」ことから始めます。

この記事では、WP-CLIの読み取り専用コマンドで状態を確認し、原因の候補を絞り込みます。サイトの構成は変更しません。

この記事の立ち位置:「確認」と「変更」を分ける

この章で分かること: なぜ確認だけを先にやるのか、という安全の考え方です。

  • 確認(list系)は読み取りのみで、サイトを変えません。安心して実行できます。
  • 変更(停止・削除・更新)は影響が大きく、別の慎重な手順が必要です。本記事では扱いません。

WordPressの読み込み順とトラブルの関係

この章で分かること: どの部品がどの順で読み込まれるかが分かると、原因の当たりが付けやすくなります。

WordPressは、コア → must-use plugins → 通常プラグイン → テーマ、の順で読み込まれます。どこかでエラーが起きると、その先が表示されないことがあります。

プラグインの状態を確認する

この章で分かること: いま何が有効で、更新待ちが何か、を一覧で把握します(読み取りのみ)。

wp plugin list --status=active
wp plugin list --format=table

--format=table の出力例です。update 列が available なら更新待ち、status 列でいま有効なものが分かります。

$ wp plugin list --format=table
+--------------------+----------+-----------+---------+
| name               | status   | update    | version |
+--------------------+----------+-----------+---------+
| akismet            | active   | none      | 5.3     |
| contact-form-7     | active   | available | 5.9.8   |
| siteguard          | active   | none      | 1.7.3   |
+--------------------+----------+-----------+---------+
  • active の一覧で「いま動いているプラグイン」が分かります。直前に更新・追加したものが原因候補です。
  • 一覧の update 列で「更新待ち」も確認できます(更新の実行はここではしません)。
  • must-use(mu-plugins)は通常の一覧と別枠です。次のコマンドでも確認できます。
wp plugin list --status=must-use
must-use plugins とは

mu-plugins は管理画面から無効化できない特別なプラグインです。保守・運用で仕込まれていることがあり、原因切り分けでは存在を把握しておくと役立ちます。

見落としがちな「ドロップイン」も確認する

mu-plugins と並んで見落としやすいのがドロップイン(drop-ins)です。wp-content 直下に置かれる object-cache.php(永続オブジェクトキャッシュ)、advanced-cache.php(ページキャッシュ)、db.php(DBドロップイン)などで、これらが残ったままだと「プラグインを停止したのに挙動が変わらない」という混乱が起きます。状態は次で一覧できます。

wp plugin list --status=dropin

キャッシュ系プラグインを削除したのに object-cache.php だけ残っている、といったケースは不具合の温床です。原因切り分けでは、通常プラグインだけでなく mu-plugins とドロップインの両方を視野に入れてください。

現場メモ:止めたのに変わらない時の定番

「プラグインを全部停止したのに重い・挙動が変わらない」という相談の相当数が、キャッシュ系プラグインを削除した後に object-cache.phpwp-content 直下へ取り残されていたケースです。wp plugin list --status=dropin を最初に1回流す癖をつけると、この手の遠回りを防げます。

テーマの状態を確認する

この章で分かること: どのテーマが有効か、親子テーマの構成かを確認します。

wp theme list
wp theme list --status=active

active のテーマが、不具合の起きているテーマかを確認します。子テーマを使っている場合は、親テーマ側の問題が表に出ることもあります。

出力例です。子テーマが active のとき、その親テーマは status 列に parent と表示されます。

$ wp theme list
+-------------------+----------+--------+---------+
| name              | status   | update | version |
+-------------------+----------+--------+---------+
| twentytwentyfour  | inactive | none   | 1.2     |
| mytheme-child     | active   | none   | 1.0     |
| mytheme           | parent   | none   | 2.1     |
+-------------------+----------+--------+---------+

確認に使うコマンドを早見表にまとめます。

コマンド目的主な出力備考
wp plugin list --status=active --format=csv有効プラグイン一覧を取得name,status,update,versionCSVで記録・保存に便利
wp plugin verify-checksums --allプラグインファイルの改ざん検出File checksum mismatch: ファイル名公式リポジトリとの差分を検出
wp theme list --status=active有効テーマ一覧を取得name,status,update,version親テーマも確認できる
wp theme verify-checksums --allテーマファイルの改ざん検出File checksum mismatch: ファイル名公式リポジトリとの差分を検出

白画面・Fatal Error時の原因候補マップ

この章で分かること: 症状から、まずどの部品を疑うかの目安です。

症状疑うべき原因確認コマンド対処の方向性
白画面(管理画面も)全体的なPHPエラーwp plugin list --status=active最近変更したプラグインを特定し、ステージングで切り分け
Fatal Error(plugin.php)特定プラグインの不具合wp plugin list問題プラグインを更新または削除
管理画面のみ壊れる管理画面プラグインの競合wp plugin list --format=csv管理画面専用プラグインを確認
テーマ変更後に壊れるテーマのPHPエラーwp theme verify-checksums --allデフォルトテーマに切り替え
特定プラグイン更新後更新によるファイル破損wp plugin verify-checksums プラグイン名プラグインを再インストール

コアファイル自体の破損・改ざんが疑わしいときは「WP-CLIでWordPressコアファイルの破損・改ざんを確認する方法」を、URL/DB起因のときは「WP-CLIでURL設定とDB接続を確認する方法」をご覧ください。

停止・削除は「確認」の次の話

本番でいきなり止めない・消さない

原因候補が見えても、本番でいきなりプラグインを停止・削除・更新するのは避けてください。表示が変わる・データが消えるなどの影響が出ることがあります。実際の停止や切り分けは、必ず事前バックアップのうえ、可能ならステージングやコピー環境で先に検証してから行います。

エラーの詳細を読む方法は「エラーログ解析でトラブルを即解決」も参考になります。

よくある質問(FAQ)

plugin list は本番で実行しても大丈夫ですか?

一覧表示(list)は読み取りのみで、サイトの状態を変更しません。停止・削除・更新を伴うコマンドとは性質が異なります。

どのプラグインが原因か、確認だけで断定できますか?

確認は原因の「候補」を絞るための材料です。断定には、ログ確認やステージングでの検証など追加の手順が必要です。

must-use plugins は何のためにありますか?

管理画面から無効化されては困る機能(保守・セキュリティ等)を常時有効にするための仕組みです。原因切り分けでは存在を把握しておくと混乱を避けられます。

まとめ

まずは「確認」から。一覧で状態を把握し、原因の候補を絞ってから、慎重に次の手へ。WP-CLIコマンドの全体像は「WP-CLI鉄板コマンド完全ガイド」を、コアファイルの確認は「コアファイルの破損・改ざん確認」をどうぞ。