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エックスサーバーでWP-CLIを使う前の確認チェックリスト

エックスサーバーでWP-CLIを使う前の確認チェックリスト

WordPressの更新や検索置換を、管理画面で1つずつ手作業——これは時間がかかります。

コマンドでまとめて実行できる「WP-CLI」を、エックスサーバーで使いたい。そう考えて検索すると、「同梱されている」「このコマンドで入る」という解説が多く見つかります。

ただ、その多くは情報が古く、当時のPHPバージョンやパスを前提にしています。使えるか・どのバージョンかは、プランや時期、環境で変わります。

この記事は、公式マニュアルで確認できる事実と、あなたの環境で確かめるべき点を分けて整理した「準備と確認の地図」です(実機での動作を保証するものではありません)。WordPressの保守・復旧の現場でも、コマンドを動かす前の環境確認を重視しています。

WP-CLIとは/レンタルサーバーで使うときの前提

この章で分かること: WP-CLIを使うには「SSH・コマンド用PHP・wp本体」の3つが要る、という全体像です。

WP-CLIは、WordPressをコマンドラインから操作するためのツールです。プラグインやテーマの一括更新、データベースの検索置換、エクスポートなど、管理画面では手間のかかる作業をまとめて実行できます(参考: WP-CLI 日本語ページ)。

ただし、レンタルサーバーでWP-CLIを使えるかは、次の3つの条件に左右されます。

  • SSHが使えること(コマンドを実行する入口)
  • コマンドラインで動くPHP(CLI版PHP)があること
  • WP-CLI本体(wp)が用意されているか、自分で導入できること

この3つの関係を図にすると、次のとおりです。どれか1つでも欠けるとWP-CLIは動きません。本記事は「どれが欠けているか」を確認するための地図です。

この記事のスタンス

本記事は実機での動作確認に基づくものではありません。エックスサーバーの公式マニュアルで確認できる事実と、環境によって変わる部分を分けて示します。最終的な可否は、お使いの環境でご確認ください。

「使える」と一概に言えない理由

ネット上には「エックスサーバーはWP-CLIが入っている」という解説が多くあります。しかし、同梱の有無や入っているバージョンは契約時期・プラン・サーバー環境で異なる可能性があり、過去に正しかった情報が今も正しいとは限りません。だからこそ、断定する前に「自分の環境ではどうか」を確認するのが安全です。

エックスサーバーで“公式に”確認できること

この章で分かること: 公式マニュアルで「言い切れる」内容(SSH・PHP・コマンドパス)だけをまとめます(確認日: 2026-06-01)。

SSH接続(公式提供)

  • サーバーパネルの「SSH設定」から、SSH接続に必要な設定(有効化・鍵の登録など)を行います。鍵はOpenSSH形式が案内されています。
  • 接続情報の形: ホスト [サーバーID].xsrv.jp / ユーザー名 [サーバーID] / ポート 10022
  • 具体的な操作・認証方式は、サーバーパネル上の案内に従って確認してください。
  • 出典: エックスサーバー「SSH設定」 man_server_ssh.php
認証方式や設定項目は最新の画面で確認を

SSHの認証方式や設定項目は変更されることがあります。接続前に、ご自身のサーバーパネル「SSH設定」の表記を必ずご確認ください。

PHPバージョンの設定(公式提供)

  • サーバーパネルの「PHP Ver.設定」で、ドメインごとにPHPバージョンを変更できます。
  • 公式マニュアルに記載されている選択可能バージョン(確認日: 2026-06-01): 7.2.x/7.3.x/7.4.x/8.0.x/8.1.x/8.2.x/8.3.x/8.4.x/8.5.x(このほか旧バージョンも対応状況一覧に記載)。
  • 「Xアクセラレータ Ver.2」の対応PHPについても公式マニュアルに案内があります。
  • 最新の選択肢はご自身のサーバーパネルと公式マニュアルでご確認ください。
  • 出典: エックスサーバー「PHPのバージョンについて」 man_program_php_ver.php

コマンドパス一覧でPHPの実行パスを確認(公式提供)

  • サーバーパネル「サーバー情報」→「コマンドパス一覧」で、php などの実行パスを確認できます。
  • Cron設定のマニュアルでは、PHPを版指定の絶対パスで実行する例が示されています(例: /usr/bin/php7.4 ...。版番号は環境・時期により異なります)。
  • 出典: 「プログラム言語・コマンドパス」 man_program_soft.php /「Cron設定」 man_program_cron.php

ここまでの「公式で確認できること」を、次の早見表にまとめます。場所と出典をあわせて確認できます。

項目場所(サーバーパネル)公式で言えること出典(確認日2026-06-01)
SSH接続「SSH設定」提供あり・ポート10022・OpenSSH鍵man_server_ssh.php
PHPバージョン「PHP Ver.設定」7.2.x〜8.5.x から選択可man_program_php_ver.php
コマンドパス「サーバー情報→コマンドパス一覧」php等の実行パスを確認可man_program_soft.php
ポイント

PHPの実行パスは時期やサーバーで変わることがあります。古い記事のパスをそのまま使わず、必ず「コマンドパス一覧」で最新の値を確認しましょう。

公式で確認できること vs 自分で確認すべきこと

この章で分かること: 「公式が保証すること」と「自分で確かめること」の線引きです。ここを取り違えないことが、安全な第一歩になります。

次の表で、両者を並べて整理します。右側の項目は、このあと自分の環境で確認します。

よく見る古い書き方通らなくなる理由どう確認・対応するか
alias wp='/opt/php-X.Y.Z/bin/php ...'(パス直書き)パスは時期・環境で変わる「コマンドパス一覧」「which php」で最新パスを確認
「PHP5.4で動く」等の古い版前提提供PHPは更新されるphp -v で実際の版を確認
「同梱だから即使える」同梱状況は環境で異なるwhich wp で有無を確認

WP-CLIを使う前に、自分の環境で確認すること

この章で分かること: 実際に手を動かす確認手順です。結果は環境ごとに違うので、表示された内容で判断します。

① SSHが有効か・鍵が登録されているか

サーバーパネル「SSH設定」で、SSH接続に必要な設定が済んでいるかを確認します。秘密鍵は手元に安全に保管してください。

② WP-CLI(wp)が用意されているか

SSH接続後、次で確認します(読み取りのみ・環境を変えません)。

which wp
wp --info
  • 何か表示されれば、wpが使える環境の可能性があります(バージョンや実行PHPは出力で確認)。
  • 何も出ない/エラーなら、wpは用意されていないと考えられます(→④へ)。
  • 「サーバー情報→コマンドパス一覧」に wp の記載があるかも手がかりになります。
結果は環境ごとに異なります

ここで wp が見つかっても見つからなくても、それは“あなたの今の環境”の状態です。他の人の環境や別プランでは違うことがあります。

③ コマンドラインのPHP(CLI版)を確認

php -v
which php

サイト表示に使う「Web用PHP」と、SSHで動く「CLI用PHP」は別系統のことがあります。下の図で違いを押さえてください。実際に動くPHPは php -v で確認できます。

④ wpが無い場合:公式WP-CLIを導入するという選択肢

wp が無い場合、WP-CLI公式の手順で各自導入する方法があります(一般的な手順。成功するかは権限・PHP環境により異なります)。

# ホームディレクトリ配下に置いて、まず動作だけ確認する例
cd ~
wget -O wp-cli.phar https://raw.githubusercontent.com/wp-cli/builds/gh-pages/phar/wp-cli.phar
php wp-cli.phar --info
  • --info が表示されれば、その環境のPHPでWP-CLIが動く可能性があります。
  • 動かない場合、PHPのバージョンや拡張、サーバー側の制限が原因のことがあります。
  • 出典(導入の一般手順・phar取得URL): WP-CLI Handbook「Installing
パスの直書きに注意

古い記事では alias wp=’/opt/php-X.Y.Z/bin/php …’ のように特定パスを直書きする例がありますが、こうしたパスは時間が経つと存在しなくなり、動かなくなることがあります。パスは必ず「コマンドパス一覧」や which php で最新を確認してください。

⑤ PHPの版を指定して実行する考え方

CLIの既定PHPが古い場合、版を指定して実行します(パスは自分の環境の値に置換)。

/usr/bin/php8.3 wp-cli.phar --info

つまずきやすいポイントと考え方

この章で分かること: つまずきの多くは「PHPの取り違え」と「古い手順の流用」です。先回りして避けましょう。

「コントロールパネルのPHP」と「CLIのPHP」は別

WP-CLIがうまく動かない時は、まず php -v で“どのPHPで動いているか”を確認しましょう(前章の図解②も参照)。

古い手順が動かない理由

特定のPHPパスやバージョンを前提にした古い解説は、現在の環境と食い違うことがあります。次の表で、よくある古い書き方と、その確認方法を整理します。

項目公式で確認できること自分の環境で確認すべきこと(断定しない)
SSH接続提供あり・ポート10022・OpenSSH鍵有効化したか・鍵を登録したか・認証方式や設定の最新表記
PHPバージョン設定(Web用)「PHP Ver.設定」で7.2.x〜8.5.xを選択可対象ドメインの現在の設定値
コマンドパスコマンドパス一覧でphpパスを確認可自分のphp実行パスの実値
WP-CLI(wp)同梱公式マニュアルに明確な記載は確認できずwhich wp で有無を確認(環境依存)
CLI版PHP公式の明示なしphp -v の実値。Web用PHPと一致するとは限らない
phar導入の可否公式の言及なし権限・PHP環境により成功可否が異なる
最新版化(wp cli update)公式の言及なし環境により可否が異なる

壊す前に、戻せる準備を

破壊的な操作の前に

データベースを書き換える操作(例: wp db、wp search-replace)は、失敗すると元に戻せないことがあります。必ず事前にバックアップを取り、search-replace は –dry-run で影響範囲を確認してから実行してください。

よくある質問(FAQ)

エックスサーバーでWP-CLIは使えますか?

エックスサーバーは、WP-CLIを使う土台となるSSH接続やPHPバージョン設定を公式に提供しています(確認日: 2026-06-01)。ただし wp コマンドがそのまま使えるか・同梱されているかは、プランや時期、環境によって異なります。本記事のチェックリストで、ご自身の環境でご確認ください。

wpコマンドが見つからない場合はどうすればいいですか?

which wp で何も表示されない場合、その環境には wp が用意されていないと考えられます。WP-CLI公式の手順でphar(wp-cli.phar)を各自導入する方法がありますが、成功するかは権限やPHP環境により異なります。導入後は php wp-cli.phar --info で動作を確認してください。

WebサイトのPHPバージョンとSSH上のPHPバージョンは同じですか?

同じとは限りません。コントロールパネルの「PHP Ver.設定」で選ぶWeb用のPHPと、SSHのコマンドラインで動くPHP(CLI版)は別に管理されていることがあります。SSH接続後に php -v で実際の版を確認してください。

wp-cli.pharを置けば必ず使えますか?

必ず使えるとは限りません。PHPのバージョンや必要な拡張、サーバー側の制限により、動作しないことがあります。php wp-cli.phar --info が正常に表示されるかで判断してください。

本番サイトでWP-CLIを使う前に何を確認すべきですか?

まずバックアップの取得です。特にデータベースを書き換える操作(wp dbwp search-replace など)は元に戻せないことがあるため、事前バックアップと、search-replace--dry-run による影響確認をおすすめします。あわせて、対象のWordPress設置パスと、使用するPHPの版を確認しておくと安全です。

まとめ:まず確認、迷ったら相談

迷ったら「公式で確認 → 自分の環境で確認 → バックアップしてから実行」の順番だけ覚えてください。エックスサーバーは土台(SSH・PHPバージョン設定・コマンドパス確認)を公式に提供していますが、wp が使えるか・どのバージョンかは環境次第です。

共通で使えるWP-CLIの実用コマンドは、まとめ記事「WP-CLI鉄板コマンド完全ガイド」に整理しています。あわせてご覧ください。